発泡ゴムは、内部に多数の気泡を持つ構造の多孔質ゴム(セルラーゴム)です。フォームラバー、軟質ウレタンフォーム、ゴムスポンジの3種類があり、それぞれ異なる特性を持っています。気泡構造による優れた緩衝性や断熱性を活かして、クッション材から工業用部品まで幅広く活用されています。
ここでは、発泡ゴムの特徴や製造現場で使用するメリット・デメリットなどについて詳しく解説していきます。
発泡ゴムは、原料ゴムに発泡剤を混ぜて加硫することで製造される多孔質のゴムです。気泡構造によって、フォームラバー(連続気泡)、軟質ウレタンフォーム、ゴムスポンジ(独立気泡)の3種類に分類されます。
フォームラバーは気泡が繋がっている構造であり、通気性と反発力に優れることから寝具や家具のクッション材などに使用されています。軟質ウレタンフォームは柔らかな性質を持ちフォームラバーよりも成形しやすいため、自動車のインテリアや防音材などに採用されています。ゴムスポンジは独立した気泡構造で優れた断熱性を持つことから、建築用断熱材などに活用可能です。
一般的に、固形のゴム材料から製造された発泡ゴムは「スポンジ」、液状ゴムから製造された発泡ゴムを「フォーム」と呼びます。
発泡ゴムの強みとして、高い反発性と優れた断熱性が挙げられます。特にフォームラバー(連続気泡)タイプは反発力に優れ、クッション材や緩衝材として広く使用されています。ゴムスポンジ(独立気泡)タイプは非吸水性と高い気密性を持ち、食品や薬剤に接触するパッキンやシール材に適しています。
また、原料となる合成ゴムの種類を選択することで、優れた耐熱性や耐寒性を付与することが可能です。例えばシリコンゴムを使用した場合、-60℃から200℃までの広い温度環境に耐性のある発泡ゴムを作り出せます。エチレンプロピレンゴムやクロロプレンゴムを使用した発泡ゴムなどは、高い耐候性を発揮することも可能です。
一般的に、耐熱性能の低さが発泡ゴムの課題と言えます。気泡を多く含む構造から断熱性能は高いものの、直接火に触れるような製品の材料には不向きです。ただし、耐熱性や耐油性、耐候性などに優れた原料ゴムを使用して発泡ゴムを製造することで、欠点を補うことが可能です。
耐熱性や耐油性などの性質が必要となる場合は、適性のある原料ゴムや必要に応じた表面処理などの対策によって解決できる可能性があります。
発泡ゴムは、その多孔質構造により優れた緩衝性と断熱性を持つゴムです。フォームラバーや軟質ウレタンフォーム、ゴムスポンジなどの異なる構造を活かし、クッション材やシール材など様々な用途で使用されています。
また、気泡構造や原料ゴムを選択することで様々な特性を付加した発泡ゴムが実現できるため、建築部材から日用品まで幅広い分野での活用が期待できます。
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※参照元:サンアロー公式HP(https://www.sunarrow.co.jp/technology/rubbermolding/)
※参照元:桜シール公式HP(https://www.sakura-seal.co.jp/)
※参照元:ホッティーポリマー公式HP(https://www.hotty.co.jp/3d_service/consignment/)