TECHNICAL GUIDE
金属や樹脂などの部品を金型内にセットし、ゴムの成形時に一体化する方法がゴムのインサート成形です。後付け組立の見直し、部品の位置管理、シリコーンゴムと樹脂の接着可否を検討する際の基礎を整理します。
金属や樹脂をインサートするケースでは、あらかじめ部品を金型に配置し、その周囲でゴムを成形して一体部品にします。ゴムと相手材を別々に製作して後から組み付ける方法と比べ、部品構成や組立工程を見直せる場合があります。
一般的な樹脂のインサート成形では、溶融した樹脂を充填して部品を一体化します。本ページで扱うゴムのインサート成形では、ゴムの材質や成形方法に応じた加硫・硬化工程を前提に、材料の組み合わせと成形条件を分けて検討します。
※参照元URL:錦城護謨株式会社(https://www.kinjogomu.jp/rubber/composition.html)
工程の細部は成形方法で異なります。ここでは、金属または樹脂をインサートする案件で確認したい流れを示します。
まず、ゴムの材質、インサート部品の材質、使用環境、必要な保持性能を確認します。特にシリコーンゴムと樹脂を一体化する場合は、相手材の名称だけで可否を判断せず、樹脂のグレードや添加剤を含めて確認します。
シリコーンゴムを異材と接合する場合は、相手材の状態に応じて前処理やプライマー処理を検討します。その後、金型内で部品が動かないように位置決めしてセットします。
金型内でゴムを成形し、加硫または硬化させます。シリコーンゴムと樹脂を接合する案件では、実際に使う材料で接着性を確認してから、量産条件を決めます。
成形後は、部品を取り出して外観、位置、バリ、接着・保持状態などを確認します。一体化によって後工程の組立を減らせますが、求める性能を満たしているかは、使用環境を想定した評価で判断します。
※参照元URL:信越シリコーン(https://www.silicone.jp/guide/rubber/faq/faq028/)
インサートする相手材としては、金属部品や樹脂部品が挙げられます。シリコーンゴムと樹脂を組み合わせる場合は、樹脂の種類・グレード・成形条件を事前に確認します。
| 組み合わせ | 検討の起点 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| ゴム×金属 (ネジ・端子・板金など) |
金属部品を金型にインサートして一体化する | 金属表面の状態、金型内での保持方法、必要な保持性能 |
| シリコーンゴム×樹脂 | 樹脂部品をインサートして一体化する | 樹脂の種類・グレード、接着性、成形条件の事前評価 |
| シリコーンゴム×シリコーンゴム | 色や硬度を変えた一体成形を検討する | 目的に合う材料の組み合わせと工法 |
シリコーンゴムと樹脂を組み合わせる場合は、同じ樹脂名でもグレードなどによって接着性が変わることがあります。図面上の材質表示だけで決めず、試作や評価を通じて確認することが大切です。
※参照元URL:信越シリコーン(https://www.shinetsusilicone-global.com/catalog/pdf/Self-adhesiveLIMS_E.pdf)
採用可否は、部品仕様と評価結果で判断します。次のような課題がある場合は、インサート成形を含めた工法比較を始めるきっかけになります。
位置ズレが製品性能や外観に影響する場合は、金型内での保持方法とインサート部品の寸法ばらつきを確認します。色や硬度を部位ごとに変えたい場合は、シリコーンゴム同士の多色・異硬度の一体成形も比較対象になります。
別部品を後から取り付ける工程を減らせるため、組立作業や部品管理を見直しやすくなります。工程削減の効果は製品構成や生産量によって異なるため、現行工程と比較して検討することが大切です。
インサート部品を金型内で位置決めできれば、ゴムと相手材の位置関係を工程内で管理しやすくなります。ただし、部品の寸法ばらつきや保持方法まで考慮しなければ、位置ズレやバリにつながることがあります。
ゴムの密閉性・防振性・操作感と、金属や樹脂の強度・形状を組み合わせられるのが利点です。必要な性能を一つの部品に集約できるかどうかを、設計段階で見極めます。
ゴムのインサート成形では、接着性だけでなく、部品の保持、ゴムの流れ、量産時の再現性まで含めて検討する必要があります。試作で成立しても、量産移行時に条件が変わることがあるため、早い段階で確認項目をそろえることが重要です。
問い合わせ時には、図面、ゴム材質、相手材の材質・グレード、使用環境、必要数量、困っている現象をそろえておくと、試作の進め方を相談しやすくなります。
※参照元URL:日本ゴム協会誌(https://www.jstage.jst.go.jp/article/gomu1944/50/2/50_2_138/_pdf)
ゴムのインサート成形で、接着・保持・量産条件に不安がある方へ
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| 成形技術 | インサート成形、トランスファー成形、コンプレッション成形 |
|---|---|
| ゴム素材 | シリコンゴム、導電ゴム、オイルブリードゴム、FKM(フッ素ゴム)、ACM(アクリルゴム)、特殊導電配合ゴム(自社配合) |
インサート成形が適するかは、組み合わせる材料、必要な機能、製品形状、生産量で変わります。下表は検討の出発点です。実際の可否やコストは、部品仕様と量産条件をもとに確認してください。
| ゴムのインサート成形 | 後付け組立 | 2色・多色成形 | |
|---|---|---|---|
| 考え方 | 金属・樹脂などの部品とゴムを金型内で一体化する | 成形後に部品を組み付ける | 複数の材料を一体化して成形する |
| 向く場面 | 密閉性・保持性を持たせ、組立を減らしたい場合 | 小ロットや、成形後の交換性を重視する場合 | 色・硬度・触感などを部位ごとに変えたい場合 |
| 主な確認点 | 相手材との接着・保持、前処理、位置決め | 組立精度、作業性、部品管理 | 材料の組み合わせ、設備・金型、形状の成立性 |
| 注意点 | 試作だけでなく量産時のばらつきも確認する | 工程数や組付け忘れ・位置ズレを管理する | シリコーンゴム同士の多色・異硬度成形も含め、工法を個別に確認する |
※参照元URL:錦城護謨株式会社(https://www.kinjogomu.jp/rubber/composition.html)
金属表面の状態、金型内での保持、成形条件を確認します。必要な保持性能を整理したうえで、試作・評価を通じて判断します。
可能な組み合わせはありますが、樹脂の種類・グレードや成形条件によって接着性は変わります。図面上の材質名だけで判断せず、実際に使う材料で試作・評価して可否を確認することが重要です。
位置ズレを抑えるには、金型内での保持方法と、インサート部品の寸法ばらつきを踏まえた設計が必要です。部品の形状や数量によっては、治具や自動挿入の検討も行います。
金属や樹脂などの既存部品とゴムを一体化したい場合は、インサート成形が候補になります。色や硬度などを部位ごとに変えたい場合は、2色・多色成形も検討対象です。実際には材料の組み合わせ、形状、必要数量をもとに選定します。
シリコンゴム成形メーカーをお探しの企業に向けて、作りたい部品別におすすめのメーカーをご紹介します。
各社で対応技術や得意とする部品が異なるため、自社で作りたい部品にあったメーカーを選ぶ参考にしてください。
※参照元:サンアロー公式HP(https://www.sunarrow.co.jp/technology/rubbermolding/)
※参照元:桜シール公式HP(https://www.sakura-seal.co.jp/)
※参照元:ホッティーポリマー公式HP(https://www.hotty.co.jp/3d_service/consignment/)