
ウレタンゴムは、ポリエステルを原料とするプラスチック素材ですが、ゴムとよく似た性質を持つことからゴム成形の素材として扱われることの多い工業用素材です。ゴムのような性質とプラスチック由来の性質を併せ持つウレタンゴムは、工業用途で幅広く活用されています。
ここでは、ウレタンゴムの特徴や製造現場で使用するメリット・デメリットなどについて詳しく解説していきます。
ウレタンゴムは、プラスチックでありながらゴムに似た特性を持つことからゴム成形の素材として扱われている工業材料です。特性としてゴムに近い弾性を持ち、一方でプラスチック由来の剛性も併せ持っているため、耐久性に優れているのが特徴です。特に、摩擦に対しての耐久性はその他の合成ゴム素材と比較しても特筆して高いうえに、変形や破損に対する強度も優れています。
製造の現場では主に圧縮成形や射出成形によって加工され、工業用ローラーやベルトコンベアのベルト部分、特殊車両のタイヤなど、耐久性が求められる用途で使用されています。
ウレタンゴムの最大の強みは、優れた耐摩耗性にあります。合成ゴムなどと比較しても際立って高い耐久性能を示しており、プラスチック由来の性質から耐油性や耐老化性も優秀です。そのため、工業機械の部品として使用することで機械の長寿命化に貢献できます。
また、高い弾性を持ち、振動や衝撃の吸収性にも優れています。こうした特性から、大きな振動や衝撃が発生する環境下で使用される工業機械(工業用ローラーや特殊車両のタイヤ)のパーツとしてもよく採用されています。
合成ゴムと比べて強度が高い点や、その他のプラスチック素材と比べて弾性や耐摩耗性に優れることから、ベルトコンベアのベルトやジェットコースターの車輪、高圧パッキン、キャスターなど、耐久性と柔軟性の両方が求められる製品に幅広く採用できる素材と言えます。
ウレタンゴムの弱みとしては、使用環境に関する制約が挙げられます。まず、耐水性と耐熱性の面で課題があり、水に直接触れる環境や湿度の高い環境、または高温にさらされる環境において劣化が進行する傾向にあります。劣化を避けて運用するには、一般的に耐熱温度が80℃まで、耐寒温度が-30℃~-60℃程度の環境での使用が推奨されます。
また、ウレタンゴムは酸やアルカリ、エーテル、ケトンといった薬品に対する耐性がほとんどないため、こうした薬品、溶剤に直接触れるような製品の素材としては採用できません。
耐水性や耐熱性、耐薬品性などに弱みがあるウレタンゴムですが、近年では耐熱性や耐寒性を高めたウレタンゴムも開発されているため、ゴム成形メーカーで取り扱っているか確認してみましょう。
ウレタンゴムは、優れた耐摩耗性や弾性を持つ工業用素材として、様々な製造現場で活用されています。一方で、水分や熱、特定の化学物質に対する耐性には課題があり、使用環境を十分に考慮する必要があります。製品の要求特性や使用条件に応じて、適切なグレードのウレタンゴムを選択することで、その特長を最大限に活かすことができるでしょう。
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各社で対応技術や得意とする部品が異なるため、自社で作りたい部品にあったメーカーを選ぶ参考にしてください。
※参照元:サンアロー公式HP(https://www.sunarrow.co.jp/technology/rubbermolding/)
※参照元:桜シール公式HP(https://www.sakura-seal.co.jp/)
※参照元:ホッティーポリマー公式HP(https://www.hotty.co.jp/3d_service/consignment/)