寸法精度の課題

ゴム製品の製造を依頼したものの、期待していた寸法と異なる製品が納品されてきた、といった事態を避けるには、寸法精度の不良が発生する原因の把握と適切な対応が不可欠です。

このページでは、寸法ズレが発生する主な原因と、不良状態の発生を防ぐための具体的な対策方法について解説します。

寸法精度で不良状態が
起きる原因

誤った精度基準で発注してしまった

一般的に、ゴム製品の加工における寸法精度には、ドイツの工業規格（DIN、VDI）に準じた基準が設定されています。この基準では、製品の寸法に応じた誤差の範囲がサイズや等級ごとに設定されており、許容される誤差はそれぞれ異なります。

製品製造を依頼する際は、製品ごとに適切な精度基準を選択する必要があり、誤った基準で発注してしまうと求めていた精度の製品が納品されない恐れがあります。

ゴム素材の特性を考慮していなかった

天然ゴム、合成ゴム、シリコンゴムなど、製品に使用するゴムの種類によって許容される公差や偏肉（シート内での厚みのばらつき）は異なります。また、素材の形状（シートやブロック）や大きさによっても精度は変動します。

そのため、使用するゴム素材の特性を考慮せずに発注すると、期待する精度が得られない可能性があるでしょう。

寸法精度の不良を
防ぐための改善策

基準に沿った寸法で依頼する

寸法精度の不良を防ぐには、製品の用途や要求する品質に応じた適切な精度基準を選択することが重要となります。高い精度が要求される製品の場合は、必要となる精度の製品製造が可能かを発注時に確認し、寸法精度の基準に準じた公差内のサイズで納品してもらいましょう。

また、端の部分はカットされずに出荷されるケースが一般的ですので、カットが必要な場合は前もって依頼しておく必要があります。

素材によって実現可能な
寸法で依頼する

使用するゴムの種類によって実現可能な公差が異なることを理解し、素材に合わせた適切なサイズ指定を行いましょう。指定の際は、シート内での偏肉も考慮に入れる必要があります。素材の特性を把握したうえで、実現可能な寸法精度の範囲内の製品製造を依頼することで、精度の不良を防ぐことができるでしょう。

まとめ：寸法精度の
課題解決のため
検討すべき事は？

ゴム製品の寸法精度を確保するために最も重要なのは、製品の用途や素材に応じた適切な精度基準の選択です。DIN、VDIといった工業規格に基づく基準を理解し、製品に求められる品質レベルが実現できる業者に発注する必要があります。また、使用するゴムの種類によって公差や偏肉が異なることを認識し、素材の特性に合わせた設計を行うことも大切です。

発注時には精度の要求に加えて、端部分のカットの有無などの特別な要求事項がないかを確認し、製造業者と認識を合わせておきましょう。製品について綿密な事前確認を行うことで、寸法精度でトラブルが起きるのを防ぐことができます。

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