天然ゴムは、パラゴムノキの樹液を原料とする工業用素材です。優れた弾性や伸張性、耐久性を持ち、タイヤをはじめとする自動車部品から日用品まで幅広く使用されています。ここでは、天然ゴムの特徴や製造現場で使用するメリット・デメリットなどについて詳しく解説していきます。
天然ゴムは、主に東南アジアの熱帯地域に植生するヘベアブラジリエンシス(パラゴムノキ)の樹液(ラテックス)を原料とする素材です。弾性や伸張性、耐久性に優れているのが特徴であり、多くの工業製品の材料として使用されています。製造現場では液状のラテックスとして使用されるほか、シート状に加工したRSS(シートラバー)やブロック状に成形されたTSRなどの状態で使用されるのが一般的です。
主な製品としては、摩擦や衝撃に対する耐久性の高さからタイヤをはじめとする自動車部品に採用されており、ゴムホースやサンダルなどの身の回りのゴム製品、絶縁性が必要となる電化製品の部品などにも採用されています。汎用性の高さから、幅広い業界の製品と相性が良い素材と言えるでしょう。
天然ゴムは優れた弾性と耐久性を持つことから、生産量の約7割がタイヤの生産素材として活用されています。また、その他の日常的な製品の多くにも使用されている汎用性の高い素材です。加えて、内部発熱が低い特性から、連続的な変形や繰り返し荷重がかかる工業機械用のベルトやホースといった製品にも適性があります。金属との接着性にも優れており、製品のグリップ部分など金属と接合する必要があるパーツにも採用されています。
さらに、素材として使用する際は液状のラテックスやシート状のRSSなど用途に応じて形状を選択できるため、多くの製造環境に幅広く対応できる点もメリットです。
天然ゴムは自然由来の原料であるため、品質が安定せず不純物の混入が起こりやすい素材です。そのため、安定した品質が要求される製品のパーツには、人工的に生成された合成ゴムが採用されるケースもあります。
また、天然ゴムの価格は世界情勢や生産環境の変化に影響されやすく、コスト管理が重要な製品では価格の安定している合成ゴムが代替材料として使用されることも多くなっています。その他にも、耐油性が低い性質があるため油と接触する箇所のパッキンやシール材の素材としては不向きです。耐熱性や耐候性も低く、高温の環境では亀裂などが発生することがあります。
天然ゴムは、主に自動車タイヤをはじめとする身の回りの製品に欠かせない素材として、製品製造の現場で広く活用されています。また、使用される形態も液状やシート状など多様であり、様々な製造環境に対応できる汎用性が特徴です。
一方で、自然由来の素材であるため、品質と価格の安定性に課題があり、製造する製品によっては合成ゴムを代替材料として選択するなど、性質やコストを見極めて採用する必要があるでしょう。
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※参照元:サンアロー公式HP(https://www.sunarrow.co.jp/technology/rubbermolding/)
※参照元:桜シール公式HP(https://www.sakura-seal.co.jp/)
※参照元:ホッティーポリマー公式HP(https://www.hotty.co.jp/3d_service/consignment/)