オイルブリードゴムは、ゴム内部に配合したオイル成分が表面ににじみ出る(ブリードする)特性を持つ特殊配合ゴムです。一般的なゴム素材とは異なり、自己潤滑性や滑り性を付与できる点が特徴で、摺動部品や組付け性が求められる工業部品を中心に使用されています。
ここでは、オイルブリードゴムの特徴をはじめ、主な使用用途、製造現場で評価されるメリット・デメリット、他ゴム素材との比較ポイントまで詳しく解説していきます。
オイルブリードゴムは、ゴム配合時に可塑剤や特殊オイルを加えることで、使用中にゴム表面へ微量のオイルが徐々に滲み出るよう設計されたゴム素材です。このブリード現象により、ゴム表面が常に潤滑された状態となり、摩擦抵抗の低減や摺動性の向上が期待できます。
ベースとなるゴム素材には、NBR(ニトリルゴム)やEPDM、シリコンゴムなどが使用されるケースが多く、用途に応じてオイルの種類や配合量を調整することで、性能バランスを最適化します。
一般的なゴムでは摩擦やかじりが問題となる環境においても、外部潤滑剤を使用せずに滑り性を確保できる点が、オイルブリードゴムならではの特長です。
オイルブリードゴムは、摩擦低減や組付け性が求められる部品を中心に、以下のような用途で採用されています。
摺動部品・シール部品として、Oリング、ガスケット、パッキン、シール材などに使用されます。金属や樹脂との接触部でも摩耗を抑えやすく、部品寿命の延長に貢献します。
組立工程の作業性改善を目的として、嵌合部品や差し込み部品にも採用されます。オイルが表面ににじみ出ることで、組付け時の抵抗が小さくなり、作業負荷の軽減や組立不良の防止につながります。
また、家電製品や自動車部品、OA機器など、潤滑油の使用が難しい箇所でも活用されており、メンテナンス性向上を目的とした用途でも評価されています。
オイルブリードゴムの最大のメリットは、自己潤滑性による摩擦低減効果です。外部からグリースや潤滑油を塗布する必要がなく、部品単体で滑り性を確保できます。
これにより、摺動部の摩耗抑制や異音防止、焼き付き防止といった効果が期待でき、製品の信頼性向上につながります。
また、組立性が向上することで、量産工程における作業効率の改善や、人的ミスの低減にも寄与します。用途に応じてオイル量を調整できるため、性能と耐久性のバランスを設計段階でコントロールできる点もメリットです。
一方で、オイルブリードゴムには注意すべき点もあります。まず、オイルのにじみ出しが外観品質に影響する可能性がある点です。製品表面がべたついたり、周囲部品へオイルが付着することがあるため、外観重視の部品には不向きな場合があります。
また、オイル成分が徐々に抜けていくため、長期使用においては滑り性が低下するケースもあります。使用環境や寿命設計を踏まえた材料選定が重要です。
さらに、耐油性・耐薬品性はベースゴムに依存するため、使用するオイルや接触物質によっては膨潤や物性変化が起こる可能性があります。用途ごとの配合設計が不可欠な素材と言えるでしょう。
一般的なNBRやEPDM、シリコンゴムと比較すると、オイルブリードゴムは摩擦特性に特化した機能性ゴムです。耐熱性や耐候性といった基本性能はベースゴムに準じるため、使用環境に合わせた素材選定が重要となります。
また、PTFEなどの低摩擦樹脂と比較すると、柔軟性やシール性に優れている点が強みであり、「柔らかさ」と「滑り性」を両立したい用途に適しています。
オイルブリードゴムは、自己潤滑性を活かして摩擦低減や作業性向上を実現できる特殊ゴム素材です。摺動部品や組立工程の効率化が求められる製品において、高い効果を発揮します。
一方で、外観や長期使用時の性能変化には注意が必要なため、使用環境や製品寿命を考慮した配合設計が重要です。ゴム成形メーカーと相談しながら、自社製品に最適なオイルブリードゴムを選定するとよいでしょう。
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各社で対応技術や得意とする部品が異なるため、自社で作りたい部品にあったメーカーを選ぶ参考にしてください。
※参照元:サンアロー公式HP(https://www.sunarrow.co.jp/technology/rubbermolding/)
※参照元:桜シール公式HP(https://www.sakura-seal.co.jp/)
※参照元:ホッティーポリマー公式HP(https://www.hotty.co.jp/3d_service/consignment/)